科目から学ぶ
【共通科目】と【専門科目】の全19科目から科目別に問題をご紹介します。
①医学概論
②心理学と心理的支援
③社会学と社会システム
④社会福祉の原理と政策
⑤社会保障
⑥権利擁護を支える法制度
⑦地域福祉と包括的支援体制
⑧障害者福祉
⑨刑事司法と福祉
⑩ソーシャルワークの基盤と専門職
⑪ソーシャルワークの理論と方法
⑫社会福祉調査の基礎
第36回 現代社会と福祉 問27
問題
次のうち，「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」で示された内容として，最も適切なものを 1 つ選びなさい。
- 在留外国人の出身国籍が多様化する傾向が止まり，南米諸国出身の日系人が在留者の大部分を占めるようになった。
- 日本社会に活力を取り込むために，高度で専門的な技術・知識を有する者以外の外国人材の受入れを抑制する。
- 外国人との共生社会は，一人ひとりの外国人が日本社会に適応するための努力をすれば実現可能である。
- 外国人が安全に安心して暮らせるように，外国人に対する情報発信や相談体制を強化する。
- 共生社会の実現のために，在留外国人には納税及び社会保険への加入の義務を免除する。
（注）「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」とは，外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議が 2022 年（令和 4 年）6 月 14 日に策定した文書のことである。
解答を見る
4
解説
1. 在留外国人の出身国籍が多様化する傾向が止まり，南米諸国出身の日系人が在留者の大部分を占めるようになった。
誤り。「第1 基本的な考え方」に「最近は,南米諸国出身日系人等に加えて,アジア諸国出身の外国人が大きく増加しており,国籍・地域の多様化が進んでいる」と示されている。
2. 日本社会に活力を取り込むために，高度で専門的な技術・知識を有する者以外の外国人材の受入れを抑制する。
誤り。「第2 目指すべき外国人との共生社会のビジョン」に,「専門的・技術的分野の外国人労働者の受け入れにより我が国社会に活力を取り込むというこれまでの視点を超えて,（後略）」と示されている。受け入れを「抑制する」という文言は同文書にはない。
3. 外国人との共生社会は，一人ひとりの外国人が日本社会に適応するための努力をすれば実現可能である。
誤り。「第2 目指すべき外国人との共生社会のビジョン」に,「外国人を含む全ての人々」が努力すべきものであると繰り返し示されている。
4.外国人が安全に安心して暮らせるように，外国人に対する情報発信や相談体制を強化する。
正しい。同文書において「4つの重点事項」として挙げられているもののうち,②の「外国人に対する情報発信・外国人向けの相談体制の強化」に当たる内容になる。
5. 共生社会の実現のために，在留外国人には納税及び社会保険への加入の義務を免除する。
誤り。「第2 目指すべき外国人との共生社会のビジョン」のなかで挙げられている3つのビジョンのうち,一つ目に「また,外国人においては,納税等の公的義務を履行し,社会の構成員として責任をもった行動を取ることが期待される」と示されている。